目指すはパラリンピック 陸上男子1500mで陸上アジアチャンピオン 大川内健太さん 【佐賀県】 (24/05/22 18:40)

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シリーズでお伝えしている「かちスポ」。今回は去年10月、陸上男子1500メートル知的障害でアジアチャンピオンに輝いた選手を紹介します。学生から社会人へ。生活環境が大きく変わる中、世界を目指し練習に打ち込みます。 【大川内さん】 「全障スポもそうですけど、まだパラリンピックもチャンスがあるかもしれないので」 軽やかにトラックを駆けるのは大川内健太さん18歳。伊万里市を拠点に800、1500メートルの中長距離を専門とするランナーです。 【大川内さん】 Q・陸上の魅力は「自己ベストが出たときに今まで練習でしたことが自己ベストにつながったので魅力的です」 長中距離で勝つために求められるのは2つ。数分間、速度を維持し続ける「スピード持久力」、そして他の選手より前に出るタイミングを見極める「勝負勘」。 大川内さんの強みは、まさにその勝負勘と、そこから勝負を決めるラストスパートの伸びにあります。 兄の影響で小学3年生のときに陸上の世界へ飛び込んだ大川内さん。小学生のころから持久走で1位を取るなど才能を開花させ去年6月、岐阜でひらかれたジャパンパラでは800メートルで優勝、1500メートルで2位と弾みを付け、その後10月に中国の杭州でひらかれたアジアパラでは、1500メートルで優勝を果たしアジアチャンピオンに。 【大川内さん】 「アジアパラで1500メートルで金メダルを取ったメダルが、普通のメダルと全然違う重さでびっくりしてます」 佐賀で10月にひらかれる全障スポへの出場と優勝が目標だと語る大川内さん。目標へ向かい日々練習に励みます。 今年4月。大川内さんを取り巻く環境に大きな変化が。伊万里支援学校を卒業後、地元伊万里にあるSUMCOサポートに就職して社会人になりました。 業務内容は段ボールの組み立てや搬送ケースの清掃などですが、中でも大川内選手が好きな仕事は… 【大川内さん】 「分解作業です。ドライバーでネジを取るところが好きです」 廃棄される機器を分解し、まだ使える部品を分別する業務。分からないところは先輩に教えてもらいながらも手際よく作業を進めていました。 【大川内さんの同僚 SUMCOサポート総務部 岸川香代さん】 「まだ入って1月くらいなんですけど、何年かいたのかなっていうぐらいすごく馴染んでいます」 午後3時。SUMCOサポート初のスポーツ特別枠となる大川内さんは、練習に向かうために定時より少し早く退勤します。他の大手企業からも声がかかっていた大川内さんが地元の企業を選んだ理由には、このような会社からの支援と、大川内選手を支え続けている松永監督の存在がありました。 【松永先生】 「ほらほらほらほら外に広がりよっぞ。そっちはOKね。少し修正せんばろうが」 松永監督との出会いは高校1年生のころ。入学した伊万里支援学校に陸上部が無く、松永監督が顧問を勤めていた伊万里実業高校の陸上部と一緒に練習するようになったのがきっかけでした。 【松永先生】 「中学生、高校生と今社会人になりましたけど、人間性の部分とかですね周りへの配慮とか成長してきてるなとほんとに感じます。そういったところが記録とかにもですね、現れて陸上の成績にも影響を与えてるようなところはあるかなと思います」 支援学校を卒業して社会人になった今も松永監督の指導の下、伊万里実業高校陸上部の仲間と一緒に練習を続けています。 【大川内さんの後輩】 「練習の時に一つの目標として頑張れる素晴らしい先輩だと思います」 4月28日、大川内さんの姿はSAGA2024全障スポリハーサル大会の会場にありました。全障スポの出場権がかかっている大事な大会です。 【大川内さん】 Q.きょうの調子は?「いい感じです」 きょうの目標は1500メートルの4分切り。自己ベストは3分55秒。調子が良ければ十分狙えるタイムです。 佐賀県の基準で中度・軽度を示すBランクの知的障害認定を受けている大川内さんははじめての場所での活動や、慣れない作業の時間管理に苦労するといいます。 そのため、大会のときには分刻みのスケジュールを立ててしっかりとアップをこなしたり、時間に遅れないように確認します。 そしていよいよ大川内選手の出番です。 2位と大きく差を付けて堂々の1位でゴール!タイムは4分13秒。見事全障スポ出場への切符を手にしました。仕事と競技を両立しながら地元伊万里で日々練習に励む大川内さんが目指すのは・・ 【大川内さん】 「パラリンピックに出場して目標はまだまだ先なんですけど、世界記録を自分が出して有名になりたいです」

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