非同期テック部第1回作品「ムロツヨシショー、そこへ、着信、からの」 @インスタライブ(2020年5月5日)

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2020年春、ムロツヨシの呼びかけによって集められた、真鍋大度(ライゾマティクス)・上田誠(ヨーロッパ企画)による、「非同期テック部」の第1回作品。 5月5日18時16分、ムロのインスタライブのなかで、生演劇のようにして行われた。 きっかけは、非常事態宣言が出された一週間後。どうにも動きたくなったムロが、真鍋に、そして上田に声をかけ、「なんかさ、やろうよ」と漠然と言い出したことから始まる。 ムロと真鍋は大学の同級生、ムロと上田は映画「サマータイムマシン・ブルース」以来のつきあい。そしてムロが真鍋と上田をつなげ、ことが動きだした。 もともと互いの活動は知りながらも、別の領域で動いていた3人が、急に予定がぽっかりあいたことで意気投合。以降、リモートでやりとりは進み、途中で、ヨーロッパ企画の永野宗典と本多力、四千頭身の後藤拓実もくわわり、3人の出会い(会ってないけど)から約2週間後、この作品が生配信された。なかなかのスピード感であった。 ちょうどムロがインスタライブをはじめたての時期だったので、その流れを生かし、ムロの普段のインスタライブの延長で、サプライズのようにして行った。この日までに、日課のインスタライブでこっそりテストを重ね、後藤もちらちら顔を出したりしたのち、子供の日の夕刻、18時16分に決行された。 主要テックは、各種ガジェットの非同期リモート制御。別の可能性のムロたちが、超次元会議アプリ「ズーヌ」を介して集まり、この時勢でやれることを模索する。 ーーーーーーーーーー 出演 ムロツヨシ(muro式、) 永野宗典(ヨーロッパ企画) 本多力(ヨーロッパ企画) 後藤拓実(四千頭身) クリエイティブ/テクニカルディレクター/エンジニア 真鍋大度(ライゾマティクス) 脚本/演出 上田誠(ヨーロッパ企画) 映像 大見康裕(ヨーロッパ企画/muro式、) 音楽 森優太(muro式、) 編集 小林哲也(ヨーロッパ企画) エンジニア 石橋素(ライゾマティクス) 石井通人(石井通人プログラム事務所) 企画 ムロツヨシ 真鍋大度 上田誠 製作 非同期テック部 ーーーーーーーーーー この作品の発表後、もっとやりたくなった一同は、当公式チャンネルを立ち上げ、部を本格始動。 作品アーカイブを残すにあたっては、「作品発表時、インスタライブを録画していた人」を募り、録画映像を提供していただく形で、この映像を完成させた。 どうもその節はありがとうございました。 以下は、上田の日記記事より抜粋。 ↓↓ ヨーロッパ企画日記 5月5日(上田) ムロツヨシショー、の本番の日でした。もう書いてもよいでしょう。この日記では「テック企画(仮)」と書いていたものです。この日の夕方に、ムロさんのインスタライブで、ある演目をやったのでした。ちょっと振り返って、長く書きますね。 2週間ほど前、ムロさんから連絡がきて、「上ちゃん何してる? 繋げたい人がいるんだよ」って紹介してくれたのが真鍋大度さんで、うおおお、と思いながら3人でライン通話したのがはじまりでした。お二人はなんと大学の同級生だった。どんな二人を生み出しているんだ。 そこからは興奮のさめない日々だった。「どこで何をやるかも決まっていないけど5月5日あたりを狙って何かやりたいんだ」、というムロさんの呼びかけに応え、まずはお互い手持ちのものを出すところから。あ、ここから書くすべてのやり取りはリモートです。 大度さんからは、こんなテックあるよ、こんなロボットあるよ、こんなMV作れるよ、と次々見せられるものすべてが魔法だった。ムロさんからは、部屋にこんな壁あるよ、シガーボックスすこしだけできるよ、スケッチブックで予告とか出せるよ、と次々ローテクを見せられた。そして僕は、それならこんなストーリーどうでしょう、こんな仕掛けでこう展開していくのはどうでしょう、というような。 「ムロさんの部屋にあるモニターやあれこれを、遠隔制御できますよ、ムロさんの部屋の照明もつけたり消したりできますし」と、さらっと猟奇的なことを大度さんが言ったことから、ムロさんの部屋にある、テレビやスマホ、モニターに、どんどんパラレルワールドのムロさんが出てくる話にしましょう、と大筋が決まった。それを大度さんがリモートで操作する、という趣向。 「エアコンのリモコンの液晶画面に、ムロさんが出たりしたら面白いんですけどねえ」と、半ば冗談で言ったら、大度さんが「じゃあリモコンを3Dプリンタで作っちゃって、それにスマホを仕込みましょうか」と言ったのは驚いた。自分がなんとなく思っているテックの限界をぐいんと押し広げなければならないのだな、と初めてのことを思った。 脚本は案外すぐかけ、5月に入って、素材映像の撮影や編集を、リモートで着々と進めていった。ムロさんは「何をやらされてんのか全然わかんない」「こわい」「上ちゃんこれすっごい怖いんだけど」「何やるの俺」「だいと俺こわいわ」と、万事こんな調子だった。大度さんはそんなムロさんの部屋をどんどんハッキングしていってた。これは面白い先輩二人だな、と思ったところから、僕のなかで部活っぽくなっていった。 思い出はいろいろあるし、Zoomでのやりとりはほぼすべて録画してあるので、メイキングなんかもいずれお出しできると思います。なのでここですべて語りたくなるのをこらえますが、ムロさんが日々、画面の向こうでワーワー言いながら、ひとつひとつをこなしてはレベルアップしていくさまが痛快だった。役者ってそうなんです、セリフやら段取りをひとつひとつ体に落とし込み、日々やれることを増やしていくのが稽古なのですけど、今回はそれに加え、画角の作り方から、照明、撮影、動画の送りかた、各種アプリの扱い、などを全部ムロさん自身でやんなきゃいけなかったから、相当なことだったと思う。毎日のインスタライブを盛り上げながら、日々すべてを仕上げていったのだった。 永野さん、本多くん、四千頭身の後藤さんにも出演者として加わってもらい、なかなか無理目なことをお願いした。永野さんは家にアルミホイルでSFのセットを作ってくれ、本多くんは高次元セメントやグリーンバックをホームセンターで買い集めてくれた。後藤さんには、ある仕掛けのために漫画本でiPadを固定し、部屋をまっくらにして本番まで待機してもらった。それぞれに家族や同居人がいて、その人たちの息づかいや無言の協力が、Zoomの外から感じられたのは胸が熱くなった。小林くんも地獄の編集おつかれさま。大見クオリティもさすが。そしてお会いできてない方々も。それでいうとリモートなのでほとんど誰にも会ってませんが。 そんなふうな仕込みをこの2週間でやりまして、この日は何度かゲネプロをし、18時16分から本番。7万人のお客さんが見守る自宅インスタライブ。ちょっと想像がおっつかないし、ぼくも京都の自宅で祈りながら見ていた。いつも劇団公演の初日、ぼくは客席で祈るのだけど、それを自宅でやっているのがへんな感じだった。 リハをするたび、予期せぬトラブルや通信不良が何回もあったんだけど、やれる限りのシューティングをしてあとは神のみぞ知るところだったのが、すべて(!)うまくいって、終わった後はしばらく一同、火照りがやまなかった。本番前に、「2回公演するのもありかもね」なんて言ってたんだけど、それもしないことにし、みんなでZoomごしに乾杯して終わった。後藤さんは「震えました、伝説ですよ」とムロさんに言っていた。 見てくださった皆様、どうもありがとうございます。それからヨーロッパ企画の人たちにも、いろいろと協力してもらったり見てもらえて嬉しかった。部活みたいだったこの集まりに名前を付けたほうがいいね、と、「非同期テック部」というユニット名を、侃々諤々の末つけました。部は、部活の部です。大人たちがエモくてすいません。 こちらのチャンネルに、この作品や、メイキングとかが今後上がってゆくと思います。君も非同期テック部に入らないか。...

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