福井の並行在来線「ハピラインふくい」の経営計画

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#企画制作動画by動画を楽しもう 北陸新幹線の敦賀延伸によってJR西日本から引き離される北陸本線のうち、福井県区間を引き継ぐ第三セクターの鉄道事業者が、社名を「株式会社ハピラインふくい」、路線名を「ハピライン」とするとの発表がありました。 福井県では、これまでは並行在来線準備会社という名称で業務を開始しており、2019年に設立されて鉄道事業を引き継ぐ手続きや経営体制の準備などが行われてきました。 2024年春の開業を予定している金沢駅~敦賀駅間の北陸新幹線延伸により、日本海鉄道ルートの貨物列車が多数運行し、北陸トンネルや交直流切替のデッドセクションなどがある北陸本線の一部(大聖寺駅~敦賀駅間)を運営することになります。 <特急列車の敦賀止り問題> 北陸新幹線開業後の福井県内の北陸新幹線の問題として、最も利便性を損なう懸念が指摘されていたのが、大阪や名古屋から北陸に向かう特急列車が敦賀止りになってしまうことがありました。 これらの特急列車の終着駅でもあった金沢や富山と異なり、敦賀からはあまり遠くない福井県内の各地へ、途中駅での乗り換えを要することになってしまい、福井県内からはJR西日本から切り離された並行在来線にも特急列車を運行してもらう要望が台頭していました。 この時に考案されたのがJR貨物による特急列車運行計画で、経営分離されても運行は継続する貨物列車の仕組みや契約・認可的な制度を転用して、北陸新幹線の売上と利害関係で対立しない原理を意識した企画でした。 さらにフリーゲージトレインによる運行の相談も国土交通省やJR西日本に持ち掛けたこともあり、新幹線開業によって発生してしまうデメリットを抑え込もうと試行錯誤していました。 しかしその後は敦賀以北での特急列車の運行を断念し、地域路線として沿線の利用者重視に専念する方針を決定し、当初は新幹線ホームと在来線ホームが離れて乗り換えに不便な構造だった敦賀駅での利便性改善策を実施しています。 <交直流電源切替の問題> 北陸本線の敦賀駅~大聖寺駅間を引き継ぐハピラインは、敦賀駅を出て早々に長大な北陸トンネルに突入すると同時に、交流と直流の電源を切り替えるデッドセクション(敦賀駅~南今庄駅間)があります。 こういった特性で電化されている区間を電車で運行する場合、交直流対応の車両が必要となるので、IRいしかわ鉄道線やあいの風とやま鉄道線と同様に、保守コストが高いとされる521系を運用することになります。 電器系設備面の保守費用も発生し、経営分離当初はJR西日本から521系を譲渡されると見られますが、その後の車両更新問題では、量産化面で弱いことによる割高影響を受けてしまうことになります。 <福井⇔名古屋方面の課題> 名古屋と北陸方面を結んでいる特急しらざぎも、関西方面との特急サンダーバードと同様に北陸新幹線開業後も存在したとしても敦賀止りがほぼ確実となっています。 しかし名古屋~敦賀間では運転区間が短くなってしまい、米原駅でもスイッチバック運転を強いられている運用上の制約/コスト要因が存在しているため、廃止になってしまう可能性も残っています。 JR東海としても、自社線内で中京圏から北陸地方に向かうことができる高山本線経由の特急ひだを本腰活用する転機でもあり、ちょうど新型車両のHC85に置き換えが進んでいくタイミングにもなっています。 そのためハピラインとしても、福井県内区間を経由しないルートが再興してしまうことは懸念材料の1つにもなり、料金設定の際にも価格バリューを意識する必要性を強いられる制約を持つことになりそうです。 <今後のハピラインふくい> 福井県でも人口減少や鉄道利用者の減少といった全国的な傾向は発生しており、県内に複数あるローカル線の私鉄各社は苦戦が続いています。 そのため、福井県並行在来線経営計画では、福井鉄道・えちぜん鉄道との共同調達などが示されており、中長期的には伝統の北陸本線の継承路線から福井県の影響を強く受けた鉄道事業者になって、JR西日本系の車両から地域ならではの車両が開発されていく可能性があります。 富山県では、かつて県内私鉄を統合して富山地方鉄道を誕生させましたが、北陸新幹線の並行在来線となるあいの風とやま鉄道は独立のままとしている通り、やはり貨物調整金を得られるなど、整備新幹線で切り離された事業者のままであることの権利・恩恵が活かされてはいるようです。 福井県内の北陸新幹線は停車駅設定が多くなっていることもあり、しなの鉄道から始まる並行在来線分離路線の中でも、福井県内ではハピラインが2次利用されることなく新幹線利用だけで完結してしまう比率が高くなりることが予想されています。 このことは、2次利用によるハピラインの利用が限定的になってしまうことを意味しているので、長野県・新潟県・富山県・石川県の区間と比較しても、並行在来線が非常に厳しくなってしまうと考えられます。 事業計画では、観光列車の運行や新駅の設置などが対象となっているので、北陸新幹線の開業でハピラインが新たに運行開始してからは、後発三セク事業者ならではのユニークな経営に注目です。

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