気候変動でも“1日10万パック”安定生産 最新鋭の植物工場【SDGs】(2023年2月4日)

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 近年、気候変動の影響とみられる干ばつや洪水などの災害が世界各地で相次いでいます。安定した食料の生産に向け、最新鋭の植物工場を取材しました。  山梨県北杜市にある工場。一日に10万パックもの野菜を出荷しているそうですが…。  村上農園広報・松井真実子さん:「こちらが栽培室になります。こちらの円筒形の装置の中で栽培しています」  広大な部屋にあるのは円筒状の巨大な装置。ゆっくりと回転もしています。従業員の姿はほとんどなく、無人で動く機械が行き来しています。  村上農園広報・松井真実子さん:「私どもの植物工場の利点は1年中、安定して高品質なものをお届けできる」  現在、気候変動による極端な熱波や寒波、洪水や干ばつなど、世界中で災害が起こっています。  しかし、植物を「工場の中で生産」することで、気候変動の影響を受けずに安定した生産・出荷することが可能になりました。この生産方法が「食料難の解決」につながると世界から注目されています。そして、作っている野菜も注目。  村上農園広報・松井真実子さん:「『ブロッコリースーパースプラウト』という野菜を栽培しています」  「スプラウト」とは発芽して間もない新芽のことですが、こちらのスプラウトにはさらに「スーパー」の文字が…。  その訳は、抗酸化作用が高い「スルフォラファン」という栄養成分が通常の10倍以上も含まれているからなんだそうです。  食料難における「栄養不足解決」のヒントになると注目されるスーパーフード。さらなるすごさが…。  村上農園広報・松井真実子さん:「わずか3日で作ることができる野菜になっております」  なんと、栽培から出荷までがわずか3日。工場にはこんな工夫が…。  村上農園広報・松井真実子さん:「こちらはコントロールルームになります」  コントロールルームから264台ある栽培装置をリアルタイムでモニタリングし、光や水、温度などを一括管理。  時折、回転しているのは光や水、空気などをまんべんなく行き渡らせるためです。無人で動く赤い機械は収穫した野菜を運ぶためのものです。  一見、完璧なシステムに見えますが、エネルギーコストなど課題はないのでしょうか。  村上農園広報・松井真実子さん:「地下にありますと、温度変化が少なくて大体、栽培室では年間を通じて15℃前後に保つことができています」  工場のある場所は山の斜面にある部分です。気候が安定した地下にあるため、冷暖房などの光熱費も抑えられるわけです。  さらに、需要に応じて「生産調整が可能」というのも工場生産の大きなメリットです。そして…。  村上農園広報・松井真実子さん:「昨年から台湾でもブロッコリースーパースプラウトの生産・販売がスタートしました」  大量生産した商品を消費者のもとにいち早く届けるために工場生産の技術を輸出。気候条件が厳しい地域に「工場を造る」ことで食料難の解決策の一つにつながればと期待されています。 [テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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