マラソン大会での心肺停止事案相次ぐ 要因の一つに「ブランク」 専門家「今の走力で楽しんで」  (23/03/01 19:00)

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<5年ぶりの開催で初の死者> いわき市の内田市長が2月28日に発表した「いわきサンシャインマラソン」でのランナー1人の死亡。福島県外からフルマラソンに参加した20代前半の男性が、スタートから約13キロ付近で心肺停止で倒れた。 いわきサンシャインマラソン大会の会長でもある内田広之市長は「救急対応に関し、直後から行っていて対応には問題ないと考えている。改めて実行委員会でしっかり検証させていただきたい」と語った。 男性が倒れてから、救急車が到着したのは7分後。その間、メディカルランナーや医師による心臓マッサージやAEDによる心肺蘇生が行われたが死亡した。 男性が提出した、体調管理のチェックシートに問題はなかったという。 近年のマラソンブームで、2002年の211万人から2倍以上に増えている、国内のランニング人口。※笹川スポーツ財団「スポーツライフに関する調査報告書」より 実は突然死が最も多いスポーツとも言われていて、その異常事態に対応するためにメディカルランナーの存在がある。 長年メディカルランナーとして救護に当たってきた専門家が今、促す注意とは?5年ぶりの開催となった「いわきサンシャインマラソン」から考える。 <全国的に2022年から同様のことが相次ぐ> 2022年6月、長野県の安曇野市で行われたハーフマラソンでは60代の男性が走っている途中に倒れ亡くなった。 また、2022年10月のいわて盛岡シティマラソンでは、70代男性が心停止に。2022年11月の神戸マラソンでも、50代男性が心停止。いずれも救護措置の結果、一命をとりとめている。 なぜ全国で相次いでいるのか?メディカルランナーとして大会の支援を行う、日本医師ジョガーズ連盟の代表理事で、東京理科大学の鈴木立紀准教授に話を伺った。 鈴木准教授によると「コロナ禍での大会中止や自粛で、走るのを辞めた人も多い。 そういった”ブランク”を持つ人が、あまり練習せずに走ると負荷は大きくなる」という。 上記であげた大会は、いずれも3年ぶりの開催だった。「いわきサンシャインマラソン」も新型コロナや悪天の影響で5年振りの開催。久しぶりに走った人が多かったと思う。2023年の「安曇野ハーフマラソン」では医師やAEDを増やし、募集時から体調への呼びかけを強化して対策するという。 <なぜマラソンで心停止が起きてしまうのか?> 心臓に大きく関係している。1つは「心筋梗塞」 走っている時は、心臓に負荷がかかる。それに応じた栄養・酸素が供給されず、結果心筋が壊死してしまうという。 もう一つが「隠れ疾患」 日常生活は問題ないが、心臓に何らかの疾患を持つ人が一部いるそう。そういった人が知らず知らずに走り、心臓がいっぱいいっぱいになってしまうと破綻をきたすおそれがあるそう。若い人の心停止で多いのは隠れ疾患ではないかという。 心停止が放っておかれると、死に至る危険性がある。 <即座に対応 メディカルランナーの存在> 過去、東京マラソンでは10人以上が心停止となっている。そこで活躍するのが、医師などで構成される「メディカルランナー」 東京マラソンでは、メディカルランナーが時間をずらしてスタートし、3分に1人通過するよう緻密に設定された。これまで心停止はあったが、亡くなった人はいない。 2009年の大会でタレントの松村邦洋さんが心停止で倒れた時、当時のメディカルランナーが最初から「何か怪しい」と思いずっと見守りながら走ったそう。レースの途中。松村さんが屈伸をした時に倒れたが、すぐに駆けつけ助けることができたという。 <長距離を走る際に気を付けたいこと> 【前日の飲酒やゴールした直後の飲酒】アルコールには利尿作用があり、前日に飲むと当日朝は脱水状態でレースに臨むことになる。さらに直後では、レースで脱水状態になっているところに、アルコールで脱水状態を増幅させてしまうので、心筋梗塞の要因になってしまう。 【睡眠不足】はパフォーマンス低下に繋がる。 【ランニングウェア】は体温調節できるよう準備が必要。 【喫煙】は酸素を取り込む機能が低下し、これこそ心筋梗塞のリスクに繋がる。また、会場で吸うと周囲のランナーにも影響があるかもしれないので、控えてほしいと鈴木さんは話していた。 何よりもブランクを乗り越えるために、久しぶりの参加ならしっかりと準備を!【昔の自分は忘れて、今の走力で楽しんでほしい】無理はしないで安心して楽しんでほしい。

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