【独自】いまウクライナ国境では何が・・・緊迫のウクライナ国境警備隊に密着(2022年1月26日)

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 緊張が急速に高まるウクライナ情勢についてです。ヨーロッパとロシアの間に位置するウクライナは長らく、西側と東側のいわば「緩衝地帯」となっていました。独立して以降もウクライナに影響力を行使しようとするロシアが介入を繰り返し、今もウクライナ東部で紛争が続いています。   去年末にはロシア軍は10万人規模の兵力をウクライナ国境に配置し、近く侵攻する可能性も指摘されています。ウクライナの国境で今、何が起きているのか、現地を取材しました。  ウクライナ北東部ハリコフ郊外のロシアとの国境。有刺鉄線が張り巡らされたフェンスの向こうは、対立するロシアです。  ロシアとの緊張が高まるなか、国境警備を担う部隊は監視態勢を強化しています。  周辺は民家も建物もなく、完全なるフラットな平原になっています。ロシア側を見渡す場所にウクライナの最前線の監視塔があります。  およそ2300キロに及ぶロシアとの国境を警備するため、最前線には24時間体制で兵士が常駐しています。夜間も赤外線カメラで警戒しているということです。  国境警備隊・ドゥルバチョフ中佐:「2014年にこの地帯には『国境』という看板しかありませんでした。ここ数年、様々な施設が導入され、24時間体制で国境を監視できるようになりました」  ロシア側では国境周辺に戦車や砲兵部隊が10万人規模で集結しています。さらなる兵力増強の懸念もあります。  氷点下10度くらいの環境のなかでパトロールが行われています。ライフル、そして防弾チョッキを着てのパトロールになっています。  国境沿いのフェンスです。国境の向こうは完全にフラット、平原が続いていて見晴らしは良いです。現在、ここからロシア側の動きというのは見えません。風も非常に強くて大変な警備です。足元が完全に凍結していて非常に歩きづらいです。  実はこの寒さがロシアに有利に働きます。戦車や兵士の進軍には地面が凍結した冬が適していると言われています。まさに今がその時期です。  2014年、クリミア半島へロシアが侵攻、ウクライナ東部でも親ロシア派の武装勢力による実効支配が続いています。欧米各国はウクライナへ武器や訓練などの支援を続け対抗してきました。  国境警備隊・ドゥルバチョフ中佐:「支援があればあるほど良いですね。国際社会からの支援は何でも欲しいです」  圧倒的な兵力のロシアを前にウクライナはどう立ち向かうのでしょうか。  週末の早朝、キエフ近郊の森林地帯。迷彩服を着た男女が集まってきました。ロシアによるウクライナ侵攻が現実味を増すなか、自分の身は自分で守ろうと考える一般市民が増えています。ウクライナの民兵組織が毎週末行う訓練には、定員の70人を超える人たちが参加しています。  訓練はまず、所持品のチェックから始まります。トランシーバーや手袋、クッション、水筒、それぞれ個人所有のものを持ち込んでいます。  軍事訓練の参加者(自営業):「戦争が起きるかもしれないので、準備のために参加しました」  有事に備え、装備を入れたリュックサックを自宅でも保管するよう参加者たちは教えられています。  一般市民が参加するこの戦闘訓練には、個人所有の本物の銃を持って参加する人もいます。  ウクライナでは免許さえあれば、自動小銃などの武器を購入することもできます。  軍事訓練の参加者(製薬会社勤務):「家族や子どもたち、母国を守るためには装備を自分で買わなければなりません。軍には武器が不足しています。見たらわかると思いますが、ソ連時代のライフルや弾薬すらも足りていません」  戦場に近い形で訓練が行われていて、爆発音に慣れるというのも大事だということです。戦場でのフォーメーションの確認をしているんですけれども、一般市民とは思えないほど結構本格的に行われています。  兵力で圧倒的に不利なウクライナ軍は一般市民も動員した抵抗組織を創設しました。志願兵で構成される「地域防衛軍」です。市民が武器を取り「地域防衛軍」として、侵攻してきたロシア軍と戦う戦略を立てています。  民兵組織「ウクライナ軍団」、アレクセイ・サニコフ代表:「我々の目的は軍事訓練で有事に備えることです。つまり侵攻には大きな代償が伴うことをロシアに分からせることです。ロシアが理解すれば侵攻をやめるでしょう」  軍事訓練には14歳の男の子2人も参加し、銃や対戦車ロケットの扱い方を学んでいました。  軍事訓練に参加した中学生(14):「私の夢は戦車兵になることです。ポケットのワッペンは、入学したい戦車学校のものです。もしくは陸軍少年学校に進もうと思っています」  仲の良い友人と一緒に訓練を受ける女性3人組がいました。毎週欠かさず参加する熱心な人たちです。  広告会社勤務・オレナさん(60):「ウクライナ人は徹底抗戦しますよ。侵攻されて降伏させられても必ず抵抗します」  一日6時間に及ぶ訓練は、氷点下のなかで行われ、本物の兵士顔負けのハードさです。  転職活動中・オレシャさん(45):「(戦争は)怖いですね。怖くない人なんていないと思います」  軍事訓練に参加したオレシャさんは、キエフ近郊に両親と暮らしています。  実はオレシャさんはロシアの極東で生まれ、10歳まで過ごしました。父親のビクターさん(68)もロシア出身です。旧ソ連時代の元軍人でもあります。兄弟や友人は今もロシアに住んでいるということです。  父親・ビクターさん:「ロシアに電話する時は、政治の話はしません。天気や親戚の安否についてだけです。両親は亡くなりましたが、ロシアには私の兄弟や親戚のすべてが住んでいます」  ウクライナとロシア。戦争になれば国境に隔てられた家族同士で戦わなければならない現実がありました。  オレシャさん:「私の家族は分断されています。ロシア軍兵士になる親戚の息子も知っています。家族の間で政治的な話はしないようにしています。でも、彼らが攻めてきたら、私も戦いに行かなければならないのです」 [テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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